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【コラム】熱中症対策を「仕組み」に変える ――酷暑から働く人を守る安全衛生管理(2026.7.22)

連日、うだるような暑さが続いていますね。🥵 朝からセミの声と一緒に気温がぐんぐん上がり、少し外に出ただけで汗が噴き出す——そんな日々が、もはや「今年だけ」ではなくなってきました。ニュースでは毎日のように猛暑日や熱中症警戒アラートが伝えられ、働く現場でも「暑さとどう付き合うか」が、避けて通れないテーマになっています。

「水分を取るよう声をかけているから大丈夫」

そう思っていても、体調不良の発見が遅れたり、誰に連絡するのか分からなかったりすると、対応が後手に回ることがあります。

厚生労働省によると、2025年(令和7年)の職場における熱中症による休業4日以上の死傷者は、確定値で1,803人に上り、統計開始以来最多となりました(前年比約43%増)。暑さへの備えは、夏場の注意喚起にとどまらず、安全衛生管理の重要なテーマになっています。

📊 職場の熱中症 死傷者数の推移(休業4日以上・死亡を含む)

死傷者数前年比
2023年(令和5年)1,106人
2024年(令和6年)1,257人+約14%
2025年(令和7年)1,803人+約43%(過去最多)

出典:厚生労働省「令和7年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」


1.熱中症対策は事業者の義務に ☀️

2025年6月1日に施行された改正労働安全衛生規則(第612条の2)により、一定の暑熱環境で作業を行う場合、事業者には次の対応が義務付けられました。

必要な対応具体的な内容
① 報告体制の整備本人や周囲の人が異変に気づいたときの報告先・連絡方法を決める
② 対応手順の作成作業からの離脱、身体の冷却、医療機関への搬送などの手順を決める
③ 関係者への周知掲示、朝礼、メールなどにより確実に伝える

対象となる目安は、WBGT値28度以上または気温31度以上の場所で、連続1時間以上、または1日4時間を超えて行うことが見込まれる作業です。

💡 WBGTとは? 気温だけでなく、湿度、風速、日射や設備からの輻射熱も考慮した「暑さ指数」のこと。屋外作業だけでなく、厨房、倉庫、工場などの屋内作業も対象になる可能性があります。

大切なのは、書類を作って終わりにしないことです。

現場で"すぐ答えられる"ようにしておきたいこと
🔹 誰に連絡するのか
🔹 どこで身体を冷やすのか
🔹 どの医療機関へ搬送するのか

現場で働く人が、すぐに答えられる状態にしておきましょう。


2.安全衛生の話し合いを"現場が動く場"に 🗣️

事業場の規模によって、求められる対応が異なります。

事業場の規模求められること
常時50人以上(全業種)衛生委員会の設置が必要
50人未満委員会の設置義務はないが、安全・衛生に関する事項について労働者の意見を聴く機会を設ける必要がある

熱中症対策は、その話し合いに適したテーマです。

✅ 現場で確認したいこと

管理者だけで考えるより、実際に暑さを感じている人の声を拾うことで、対策はぐっと現実的になります。


3.「少し変だな」を見逃さない仕組み 🌡️

熱中症は、本人が「まだ大丈夫」と無理をしてしまうこともあります。

作業前には睡眠、朝食、前日の飲酒、発熱や下痢などの体調を確認し、作業中も巡視や声かけを行いましょう。

🗨️ 聞き方のコツ 

単に「大丈夫ですか?」と聞くよりも、 「昨夜は何時ごろ寝ましたか?」など、会話になる聞き方をすると変化に気づきやすくなります。

【異変を感じたときの基本の流れ】

  🚨 熱中症を疑う異変を発見
          │
          ▼
  ❄️ すぐに作業を止め、涼しい場所へ移動・身体を冷却
          │
          ▼
  📞 責任者へ連絡し、本人の状態を確認
          │
          ▼
  ❓ 自力で水分を取れない/意識や応答がおかしい
          │
          ▼
  🚑 ためらわず救急要請(119)

⚠️ 医療機関への搬送中や経過観察中も、容態が急変する可能性があります。 熱中症が疑われる人を一人にしないことも重要です。


4.快適さへの投資は、働きやすさにもつながる 🍃

対策は、設備の導入だけではありません。「モノ」と「進め方」の両輪で考えるのがコツです。

🛠️ 設備で工夫する🔄 進め方で工夫する
スポットクーラー暑い時間帯の作業を減らす
遮熱材休憩回数を増やす
ミストファン飲料を取りやすい位置に置く
冷却ベスト複数人で体調を確認し合う

「休むと仕事が遅れる」のではなく、 「安全に働き続けるために、計画的に休む」

そんな共通認識をつくることが、熱中症対策の土台です。


酷暑は、一人の注意だけで乗り切るものではありません。まずは、報告先と緊急時の対応手順が全員に伝わっているか、職場で確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。🌱

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